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性暴力と性行為は違います
性暴力からの被害回復を困難にしていることのひとつに、
パートナーとの身体接触や性行為に対する嫌悪感、フラッシュバッグがあります
性行為と性暴力が同じものとして認識されてしまっていることによるものと思われます
性暴力の被害者はその被害による苦しみはもちろんのこと、
【性暴力に関する間違った社会認識】
にさらに苦しめられ続けます
【性暴力に関する間違った社会認識】
「若い女性だけが性暴力の被害に遭う」
→実際には、乳幼児から高齢者まで、すべての年代の女性、男性が被害に遭っています
「性暴力は、女性側の挑発的な服装や行動が誘因となる」
→実際には、被害女性の多くが特別に挑発的な服装や行動はしていません
それどころか、むしろ加害者は地味な服装の女性を「おとなしそうで、訴えないだろう」と見て、狙うことがあります
「潜在的にせよ、本人の側に望む気持ちがなければ、実際には性暴力など起こりえないはずだ」
→これは、「被害者が抵抗すれば、性暴力などされなかったはずだ」という思い込みです
実際には、被害者は恐怖感から凍りついたようになってしまい、声をあげることすらできないことがほとんどです
「性暴力の加害者のほとんどは、見知らぬ人である」
→実際には、面識のある場合も多くなっています
平成26年のレイプの検挙件数に占める被害者と面識がある被疑者の割合は、50.9%(「平成26年の犯罪白書(警察庁)」より)となっています
「ほとんどの性暴力は衝動的なものである」
→実際には、多くの加害者は 被害者の行動を見張ったり、後をつけたり、人に見つかりにくい場所を事前に探したりしています
この間違った社会認識は、広く一般に信じられていて、知らず知らずのうちに多くの人の意識の中に刷り込まれています
被害者自身も被害に遭う前から間違った社会認識をもっていることで、自分自身を責めてしまうのです
被害者の周囲の人も同じように間違った社会認識を持っていることが多く、被害者を非難したり、被害を疑い、
被害者の被害後のダメージは一層ひどくなってしまいます
性暴力は性を使った暴力です
被害者には何の落ち度もありません
被害の責任は加害者にあります
社会全体が性暴力に対して正しい認識、正しい理解ができれば、
理不尽な性暴力に巻き込まれた被害者の方々の回復はもっとスムーズにすすむのではないかと思います
そして、性暴力の理解が正しくなされれば、自然と”性暴力”と”パートナーとの間の合意ある性行為”の違いが歴然とわかると思うのです